県庁おもてなし課

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県庁おもてなし課


【著作者】有川浩
【出版社】角川書店(角川グループパブリッシング)
【カテゴリ】 文学・評論 文芸作品 日本文学

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個人的評価


【総合】★★★★☆
【ストーリー】★★★★☆
【感動】★★★★☆
【エクサイティング】★★★☆☆
【リアリティ】★★☆☆☆
【啓発要素】★★★☆☆


ストーリー


高知県観光部、おもてなし課
観光立県を目指し、県外観光客を「おもてなし」する心で県の観光を盛り上げコンセプトから名づけられた課

おもてなし課に所属する掛水史貴は入庁3年目の若手
設立以降具体的な戦略が定まらない課の会議にて発言する

他の自治体では『観光特使』を任命するイベントをしているところがある

この意見は採用され、おもてなし課は県出身の著名人に特使の依頼を始める
今売り出し中の高知県出身の作家、吉門喬介も依頼相手に含まれていた
おもてなし課の掛水は吉門からメール返信を受ける

企画が理解出来ないから電話で説明して欲しい

掛水は吉門との電話で、自分達のプランの実効性の低さを痛感する
『だからお役所は』
その言葉の意味を痛感する
しかし吉門は非難するだけでなくアイデアを与えてくれた
今の県庁では出来ないビジョンが見えている人
掛水は吉門と連絡をとり、観光立県を目指し行動することを決意する

吉門は2つのアドバイスをする

1つ目は『民間感覚』を取り入れること
公務員でなく、フットワークが軽く、気が利く、そしてできれば若い女性
旅行好きが多く、ロケーションにこだわり、一方、財布の紐が固い
そんな若い女性が惹かれる観光を提供しなくてはいけない

2つ目は『パンダ誘致論』を調べること
20年前、高知県の観光立県を目指しパンダを誘致しようとした職員がいた
その活気的な提案は、縦割り、箱もの行政、公共の呪縛に道を閉ざされた
そしてその提案者は閑職に追いやられ、県庁を去った
県にとっても暗い闇に追いやれた誘致論であった


感想


有川浩さんの小説で、映画化もされた作品です
高知県観光振興部に実在する「おもてなし課」(現:おもてなし室)、そして観光特使を務めた有川浩さんの実際の話しから生まれた作品

掛水が吉門とのやり取りから、観光立県を目指し、かつての県庁では出来なかったこと実現する為に、決意、奔走する姿に応援してしまいます

『民間感覚』を取り入れる為に「おもてなし課」に参加することになった明神多紀と掛水との関係
観光特使である吉門と『パンダ誘致論』の提案者である清遠和政、佐和親娘との意外な関係
『だからお役所は』と言われる行政に対して『民間感覚』をぶつけるストーリーだけでなく、人と人の関わりもしっかり描かれていてそこも楽しい小説です

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